私たちが日々の社会生活を送る上で、お互いに気持ちよく生活するために、ある程度のルールを決めておくことは大切なことです。
しかし、あれは正しい!これは間違っている!とまるで、正義を振りかざすことに中毒を起こしルールを決めすぎて生活することは、私たちの生活に悪影響を及ぼす可能性があります。
今回はそんな、正義中毒とは何か、なぜ人生を壊してしまうのか、そして正義中毒に飲み込まれないためのコツについてご紹介します。
ぜひこの記事を読んで、正義中毒から身を守り、良い人生を送ってください。
目次
正義中毒とは?
正義中毒とは、正義に不健康なほど執着し、あらゆる場面で自分が正義と思うことが果たされることを望むことです。
自分の意見を正当化したり、集団の意見を正当化して、自らの課題を推進したり、自分の正しさを証明したりする必要があるのが特徴であることが多いです。
また、正義中毒の人は、他人を必要以上に判断し、時に決めつけたりします。
そのような姿勢を正当化する状況でなくても、まるで誰かや状況が、「犯罪者、重い罪」であるかのように、過度に厳しい姿勢をとったりすることがあります。
ここで注意しなければならないのは、正義中毒と健全な正義感とは異なるということです。
健全な正義感とは、国の法律や抑圧された人々の権利を理解し、最低限、その権利を守るためには必要なことです。
しかし、正義中毒とは、過度に正義に執着し、不健全な行動に走ることで、勝ち負けの世界で生きる状態のことです。
私たちの生活にどのような悪影響を及ぼすのか?
正義中毒は、いくつかの異なる方法で私たちの生活に悪影響を与える可能性があります。
まず、妥協することができなくなることがあります。
正義中毒の人は、どんな状況でも自分が唯一の正しい人であり、絶対的なものであるという視点からしか世界を見れません。
たとえそれが、周りから見たら小さなことであっても、本人にとっては許せないことに映るのです。
そのため、他人の立場を考えたり、他人の気持ちを察したりすることに目を向けることができず、家族間、隣人、会社、公共の場所など、さまざまな社会的な場面で、口論やケンカに発展することがあります。
さらに、自分が正しく、どんな議論にも「勝ちたい」という欲求もあるため、正義中毒の人は、自分の考えを変えたり、相手が結果に満足するような努力をすることを嫌がるかもしれません。
正義中毒の人は、正義が果たされることを自分の使命と考え、自分を不当に扱った相手や状況からの、いかなる謝罪や説明も受け入れようとしないでしょう。
まるで自分がこの世界の「神」というような意識は、生産的な会話を妨げたり、友人や人間関係を遠ざけたりと、広範囲に影響を及ぼす可能性があります。
このような人は「モラハラ人間」「DV」「サイコパス」「老害」などとも呼ばれ、人の身体や精神をズタズタに壊します。
結局は、人がどんどん離れていきますので、誰も相手にしなくなり、孤立的な生き方をしていくでしょう。
あなたの周りにこういう人がいたときは、絶対的な距離を取ることをおすすめします。
もし、自分がこの正義中毒に当てはまるなと感じている方は、このまま読み進めてみてください。
正義の中毒から抜け出し良い人生を送るためのヒント
正義中毒から抜け出すためには、徹底的に自分自身の思考と行動に注意を払い始めることです。
大まかにこれら2つのことを実践していきましょう。
①なぜその正義は果たされなければならいのか?を分析する
もし、少しでも誰かや状況に腹が立ったりイライラした時、それは第三者から見ても正当なものであるのか、という視点を心がける必要があります。
自分がなぜこうも、必要以上に正しくあろうとするのか?特定の結果ばかりを求めようとしたりするのかを分析することです。
怒りが先に出てきて、なかなか冷静になれない場合は、一度紙とペンを用意し、その理由をリラックスして分析するのです。
例えば
- カフェで電話をする人は常識のないやつだと人を責める
- 時間を守れない人はダメなやつだと人を責める
- 意味のない会話をするやつはムカつくと人を責める
など、どうしてそれは正しいのか?を考えるのです。
「カフェで電話する」という行為は、常識的にはあまり良い行動とはいえません。
ですが、あなたが批判するほどの悪い行いなのでしょうか?
もし過度にうるさいのであれば、店員さんが注意するでしょうし、法律には違反していません。
その他のものも、究極的には「法律には違反しない」という見解に辿り着きます。
あなたは裁判官ですか?そうでなければ、あなたには人を自分の基準で裁く権利はないのです。
このように、本当にあなたが正義と思うことは、果たして本当に裁かれるものなのかを冷静に分析することが大切です。
③正義の裏に隠された「自分の寂しさ」を理解する
自分が正義と思うことに反した行動を誰かがしたとき、あなたはなぜ、こんなにもイライラするのでしょうか?
その原因の一つに、「過去に(特に小さい頃に)親からルールを守るように、厳しく抑えつけられた」という記憶があります。
だからこそ、そのルールを自分はしっかり我慢して守っているのに、他人は「自由に」それをしている、なぜ?許せない!
そのことにあなたは「イライラ」しているのです。
本当は、もっと「自由に」自分が好きなように考えて行動したかった、でも我慢させられた、という悔しさや寂しさが、あなたを正義中毒にしているのです。
これらに関しても、自分の根本の考えや心を分析することが大切です。
③正義を「好み」に変える
先の例で、カフェで電話をする人を出しました。
もちろん、これに何も違和感を感じない人もいるでしょうが、やはりカフェではゆっくりとコーヒーを味わいたいものです。
そこで、正義を相手に振りかざすのではなく、自分はカフェでは静かに過ごしたほうが「好きだ」というように「好み」として認識し直すのです。
他のものも一緒です。
- 時間を守れない人はダメなやつだと人を責める→自分は時間を守ることが「好き」
- 意味のない会話をするやつはムカつくと人を責める→自分は目的を持った会話をして有意義に過ごすのが「好き」
まるでそれは、食べ物の「好み」と同じくらいのレベルに、認識し直すことです。
カレーが好きな人もいれば、嫌いな人もいますし、コーヒーが好きな人もいれば、嫌いな人もいます。
「好み」に落とし込めれば、いかにあなたが抱えていた正義が、取るにたらない小さいことかとわかります。
例えば、カレーが嫌いな人はあり得ない!間違っている!と言ったり、コーヒーが飲めないなんてひどいことだ!というでしょうか?
そんなことはありません。
そのように、正義を好みに変えていきましょう。
そして、今後、自分の考えや行動がどのように正義の中毒につながるかを意識し、それに従って行動を変えることが大切です。
まとめ
正義中毒は危険なものであり、その悪影響を避けるために自覚することが重要です。
自分自身や周りの人の正義中毒を認識し、それに対処するための手段を講じることを学んでください。
そうすることで、より良い正義感を育み、より幸福で健康的な人生を送ることができるのです。
また、物事はいつでも中立なのだ、という視点が、より幸福な人生を歩むために必要な視点です。
そのことをまとめた記事がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。