人間誰しも、一つや二つの癖はあるものです。ちょっと考えすぎてしまったり、あまり考えず行動してしまったり、などです。
しかし、それが度を超えてしまうと、あなた自身も、周りの人も傷つけてしまうことがあります。
つい言わなくていい余計な一言を言ってしまったり、お金を使いすぎたり、人にすぐ怒ったりなど、なぜかやってしまうクセにあなたは振り回されていないでしょうか?
もちろん身体や心の疲れというのもありますが、もしかしたら私たちを突き動かしている「エゴ」が関係しているかも知れません。
よく、あの人はエゴが強い人だね、とか、自分のことしか考えていない人のことを「エゴイスト」と呼んだりします。
あまりに自分のことしか考えらないと、生活する上でどんどん状況が悪くなってしまいます。
また、その状態は「本来のあなた自身」ではありません。それは「エゴ」に支配されてラジコンのように動かされているのかも知れません。
今回は、そんなエゴを理解して、そして本来の自分らしさを取り戻し、イキイキと人生を生きていく方法をお伝えしていきます。
読み進めることで、このよくわからないエゴの正体がわかり、むしろ愛着を感じて犬のように飼い慣らすことができるようになります。
それでは早速、まいりましょう。
目次
そもそも"エゴ"とは何かを理解しましょう
彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず
孫子
そもそもエゴとはなんでしょうか?まずはそれを理解することで、それに支配されずに、自分らしく生きることができます。
今回は、エゴを3つの角度から探っていきましょう。
①脳科学的には「爬虫類脳(ハチュウルイ脳)」
私たちの脳は、大まかに2種類の機能で分かれています。
理性脳
ものを考えたり、想像したり、目の前のことに冷静に対処するところ
爬虫類脳(ハチュウルイ脳)
好きか嫌い、心地いいか気持ちわる、他人より自分の命と考える本能的な働きをするところ
このように、私たちが人間的にも、そして生き物としても生きくためには、両方必要になります。
脳科学的にエゴは、この「爬虫類脳」の部分を指します。
・とにかく他人よりも自分の利益が大事だ!
・他人がどうなろうとも自分の幸せが一番!
そんな思いに支配されている人は、まさに理性脳よりも爬虫類脳がよく働いている状態だと言えます。
②心理学では「潜在意識の自我」
私たちの心・身体には、大まかに2つの部分があります。
顕在意識(約5%)
ものを考えたり計算したり、慣れない仕事をする時など、私たちが意識して行動したり考えることをする意識
潜在意識(約95%)
心臓を動かしたり、身体の傷を自然と直したり、胃腸を動かして消化したりと、私たちが意識しないでもしている部分の意識
(例えば、意識して心臓の鼓動を止めたり、胃を止めたりするのができないのがその答えです)
私たちが普段考えていることは、約5%しかないと言われています。
それとは反対に、潜在意識は約95%とほとんど私ちを自動操縦で動かしている状態です。
この自動操縦の中には、「昨日と同じ状態を保とう!」とする働き(ホメオスタシス)というものがあります。
これは体温を一定に保ったり、呼吸の回数を一定にするのも、このホメオスタシスのおけがです。
そして、誰の手も借りずに、歩けたり、食事をしたり、日常生活が普通に送れるのも、あなたが「自分自身であるという感覚」というホメオスタシスのおかげなのです。
ですが、この「自分自身であるという感覚」が強くなりすぎると、自分の身を守ろうとするあまり、攻撃的になったり、人間関係を壊してしまったりします。
原因はいろいろありますが、生まれた時から今までで、嫌な経験(いじめられた、これをしたら怒られたなど)が重なってくると、潜在意識も自分を守ろうとするのです。
これが心理学的にいうところのエゴです。
③仏教では「末那識(まなしき)」
仏教の考え方の一つに、「唯識(ゆいしき)」という意識があると言われています。②の潜在意識と似たようなところがあります。
その意識の中の一つに「末那識(まなしき)」と呼ばれる部分があります。
これは「自分が自分であり続けよう」とか「これは自分のもの、あれは他人のもの」というように、「自分 対 〇〇」と考える意識のことです。
とにかく区別したがります。それを無意識「どんどん区別」していくのです。
そうすると、自分に利益がなかったり、自分にとって悪いことが起きると、とにかく自分を守ることをしていきます。
電車の中であなたが座っているとして、目の前にご老人が立っています。しかし、なかなか席を譲る気が起きないのも、この「末那識」の働きとも言えます。
まさに仏教的なエゴと言えるでしょう。
さて、ここまででエゴの正体を3つの角度から見てきました。私たちは、どんなに頑張っても、このエゴに操られて生きていくことになるのでしょうか?
いいえ、それは違います。まず、読んでいただいた通り、エゴは単に「あなたを守るため」に存在していて、決してあなた自身ではないからです。
「エゴ=自分自身ではない」ということを理解する
エゴは、あなたの本体ではありません。ただ、この世界で生き抜いていくために存在している、いわば「門番」とか「忠実な飼い犬」のような感じです。
あなたの本体は「お城」に住んでいますし、犬の「主人」なのです。
まずはそのことを理解することが大切です。
「そんな簡単に理解できたら苦労しないよ!」
「感情にどうしても負けそうになるんだ!」
と感じると思います。何せ私自身が、このエゴに支配されまくりだったので、そのお気持ちはとてもわかります。
私がなぜ、エゴ=自分ではないというところに行き着いたかというと、次にお伝えする「ワーク」を通じて、エゴに支配されず、本来の自分で生きることができるようになりました。
そのワークをご紹介していきます。
エゴを手放すワーク
①自分の感情を観察し言葉にし続ける
自転車や人が突然、あなたにぶつかってきたら、もちろん驚くし、イライラしますよね?
その感情を感じても良いので、その後に「私はとても驚いたし、怒った!と感じている」と言葉にしてあげましょう。心の中で構いません。
また、仕事が上手くいって早く帰ることができて、「あ!私は今日早く帰れるから嬉しい!と感じている」と言葉にするのです。もちろん心の中で構いません。
この、「〇〇と感じている」と観察し言葉にし続けていくと、ただ「心(エゴ)」がそう感じているんだね!と、少し距離を置くことができます。
この距離が非常に大切になります。
門番とお城、忠実な飼い犬と主人で例えたように、
あなたは門番(エゴ)ではなく、お城に住んでいる主人(本体)
あなたは忠実な飼い犬(エゴ)ではなく、飼い犬の主人(本体)
そういう気づきが生まれます。
この気づきこそ、あなたの本体で人生を生きるヒントになります。
ぜひ、このことを少しずつ続けてみてください。
②エゴと闘わない
まず、エゴは決して悪いものではありません。あなた自身を守ってくれる「門番」だし、「忠実なる飼い犬」です。
だからこそ、そのエゴと闘っても良いことはありません。
剣を振りかざしてくるかも知れませんし、何度も噛み付いてくるかも知れません。
むしろ、エゴを消そうとしないでください。エゴはただ、あなたという「個」を守りたい一心で、ここまで頑張ってきたのです。
なので、決して闘わず、小脇に抱えるくらいがちょうど良いのです。または、共に人生を歩くパートナーくらいに思っておきましょう。
③間脳(かんのう)を目覚めさせる
間脳(かんのう)は、眉間の高さにある脳の中心あたりの部分です。
ここでは、間脳の一部の「松果体(しょうかたい)」が重要になります。
スピリチュアル的にこの、「松果体(しょうかたい)」は、スマホやラジオの受信機みたいに、宇宙とか見えない力からのサインをキャッチするところと言われています。
- なんだか大切なことを思い出した気がする
- 一度も来たことがないのに、昔来た気がする感覚
- 何気なく選んだ道が、後々正解だった
このように私たちは人生で一度や二度、不思議な体験をしてきていると思います。
それは、論理とか思考とかエゴではなく、宇宙や見えない力と繋がった体験なのです。
まるで自分という存在が薄くなって、この地球とか空とかと溶け合うような一体感です。
この感覚を目覚めさせいくことで、エゴとか身体や心を超えて(支配されずに)、生きていくことができるのです。
例えば、下記のことをすると、宇宙や見えない力と一体になりやすくなります。
- ただ自然の中に身を置く
- 好きな音楽を聴く
- ぼーっとする時間を作る
- マインドフルネス瞑想をする
- 余計な情報を遮断する(デジタル断捨離)
特に、現代に生きていると、ビルとか便利なデジタル機器に囲まれて、ついつい人間も生き物だというのを忘れてしまいます。
そういう時こそ、海に行ってただ波の音に耳を傾ける、山に行き木々の呼吸を身体中で感じたりすることが大切です。
そうしていくうちに、自然とあなたの松果体が目覚めてきて、本当に大切な気づきを与えてくれます。
ぜひ、今度の休日に、そういったところへ足を運んでみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、エゴについてお伝えしていきました。
改めて、この世に良いも悪いもないように、エゴも良い悪いではないのです。ただあなた自身を守るために、必死にここまで頑張ってきた存在です。
決してエゴを敵にするのではなく、愛情を持って接してあげてください。
また、最後にお伝えした、宇宙や見えない力について、もう少し詳しく知りたいという方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
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もしあなたが"宇宙の法則"を生き始めたら?
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。